給与の源泉徴収は、令和2年1月から何が変わるのでしょうか?
出演: ・・・M社 経理部 まい
・・・顧問税理士
― M社 会議室にて ―
M社経理部まいと顧問税理士が、打ち合わせを行っています。
そういえば、令和2年から源泉徴収税額表って変わりますよね?
給与所得の源泉徴収税額表ですね。ご理解の通りです。
御社が利用する給与計算ソフトで使える“電算機計算の特例”も、令和2年分から変更になります。
何が変わるのですか?
扶養親族等の数の計算と、源泉徴収税額そのものです。
え!
また、扶養親族等の数の計算が変わるんですか?
扶養親族等の数の計算が変わるといっても、扶養控除等申告書(以下、マル扶)に記載されている人数をカウントする意味では、基本的に従来と変わりません。
令和2年分からは、記載対象となる者の合計所得金額等の要件が変わった件は、以前ご案内していますが。
そうですね。
その部分以外に、1点ご留意いただきたいのが、源泉控除対象配偶者の数え方です。
令和元年度税制改正で、源泉徴収時に夫婦間で重複して源泉控除対象配偶者を適用できないこととなりました。
今までは違っていたのですか?
そうですね。
源泉徴収の段階では、重複適用を加味しておりませんでした。
どうやったらわかるのですか?
たしか、マル扶に変更点はなかったと思いますし。
異動届を出してもらうのですか?
そこまでする必要はありません。記載されていても、記載がなかったものとするだけです。
記載がなかったものとするって?
まあ、確認するしかないでしょうね。
うわっ。面倒ですね。
そうですね。
ただ、対象者は、お互いに源泉控除対象配偶者の記載ができる者です。
つまり、各々見積った合計所得金額が95万円以下の場合ですから、給与収入だけでしたら、年間150万円以下になります。
年収150万円以下の従業員のマル扶をピックアップして、源泉控除対象配偶者欄に記載がある場合に確認する程度です。ちなみに御社の場合、対象者はいらっしゃいますか?
うーん。
ぱっと思いつく人はいませんが。
今年の年末調整時に年収ベースでピックアップしてみましょうか?
そうですね。
そうしていただくとよいかと思います。
もう1つ、変更がありましたよね?
あ。すっかり忘れておりました。
そうです。源泉徴収税額そのものの変更です。
これも改正ですか?
そうです。
こちらは主に平成30年度税制改正の影響によるものです。具体的には、給与所得控除額の見直し、基礎控除額の改正などですね。
すべての方が変更になるわけではなく、ある程度の収入の方から変更対象となっていますので、ご留意ください。
この辺りは実際に計算して確認いただければいいかな、と思います。
わかりました。
ご利用の給与計算ソフトの更新状況を確認の上、適正な源泉徴収税額で源泉徴収を行いましょう。
それから、源泉徴収税額の変動ありなしに関わらず、1月分の給与支給時に源泉徴収税額の変更について案内しておくとよろしいかと思います。
そうですね。
そうします。
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